はじめに
飲食店の立地を考える時、「この場所なら売れそうか」で判断してしまう人は少なくありません。
しかし、本当に重要なのは、「この立地で成立するには月商いくら必要か」を考えることです。
たとえば、駅前の1階路面店は集客しやすい一方で、家賃が高くなりやすく、必要な売上も大きくなります。
逆に、郊外や住宅街の物件は家賃が安く、必要な売上ラインを下げやすいことがあります。
そのため、立地を見る時は、「人が多いか」だけでなく、「必要な売上を現実的に達成できるか」で判断することが重要です。
この記事では、家賃・席数・客単価・回転率をもとに、立地ごとの成立ラインを考える方法を解説します。
立地によって必要な売上は変わる
同じ業態でも、立地によって必要な売上は大きく変わります。
たとえば、
- 駅前1階路面店
- 郊外の駐車場付き物件
- 繁華街の空中階
- 住宅街の小型店舗
では、家賃や人通り、席数が異なるため、必要な売上も変わります。
一般的には、家賃が高い立地ほど必要な売上は上がり、家賃が低い立地ほど必要な売上は下がります。
そのため、「人気エリアだから安心」ではなく、「その立地で利益が残るか」を考えることが重要です。
必要な売上を考える4つの要素
飲食店の成立ラインを考える時は、以下の4つが重要です。
- 家賃
- 席数
- 客単価
- 回転率
必要売上のイメージは、以下のように考えられます。
必要売上 = 家賃や固定費を回収できる売上
さらに、売上は以下で決まります。
売上 = 席数 × 回転率 × 客単価 × 営業日数
そのため、家賃が高い立地でも、席数が多く、回転率が高く、客単価が高ければ成立する可能性があります。
一方で、席数が少なく、回転率も低い場合は、高家賃の立地では成立しづらくなります。
駅前物件は必要売上が高くなりやすい
駅前物件は、人通りが多く、新規客を獲得しやすい立地です。
一方で、家賃が高くなりやすく、必要な売上ラインも高くなります。
たとえば、
- 家賃60万円
- 人件費80万円
- その他固定費30万円
なら、固定費だけで170万円かかります。
この場合、原価率と人件費率を考えると、月商400〜500万円程度は必要になるケースがあります。
特に、駅徒歩3分以内の路面店や繁華街の1階物件は、売上は高くても利益が残りづらいことがあります。
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郊外や住宅街は必要売上を下げやすい
郊外や住宅街の物件は、駅前より人通りは少ないですが、家賃を抑えやすい傾向があります。
たとえば、
- 家賃25万円
- 人件費60万円
- その他固定費25万円
なら、固定費は110万円程度です。
この場合、駅前物件よりも必要な売上ラインを低くできるため、利益が残りやすくなることがあります。
また、郊外では駐車場付きの物件が多く、家族利用や車移動の需要を取り込みやすいというメリットもあります。
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席数が少ない店は客単価か回転率が必要
席数が少ない店は、売上の上限が低くなります。
そのため、席数が少ない店では、
- 客単価を上げる
- 回転率を上げる
- 固定費を下げる
のどれかが必要になります。
たとえば、10席しかない店舗で、客単価1,000円、1日2回転では、売上の上限はかなり低くなります。
一方で、10席でも、客単価8,000円の高単価店なら十分成立する可能性があります。
また、ラーメン店やカフェのように回転率が高い業態は、席数が少なくても成立しやすいことがあります。
回転率が低い店は高家賃立地と相性が悪い
回転率が低い店は、売上が伸びにくくなります。
そのため、
- 滞在時間が長い
- 予約制
- コース中心
- 少人数営業
といった業態は、高家賃の駅前物件と相性が悪いことがあります。
一方で、
- ラーメン
- 牛丼
- ファストフード
- テイクアウト
のように回転率が高い業態は、高家賃でも成立しやすくなります。
現役オーナーに聞いてわかったこと
出典: ヒアリング協力者プロフィールを見る現役オーナーへのヒアリングでは、必要売上を考える際に、周辺店舗の「席効率」「回転数」「客単価」を必ず確認しているという話がありました。
特に、何人組の来店が多いかを見ることで、そのエリアで必要な席数やテーブル構成を考えているとのことでした。
また、回転数は、実際に競合店へ行き、待ち状況やレジ付近の卓管理ボードなどを見ながら、「1日に何回転しそうか」を推測しているそうです。
客単価についても、近い業態の店舗で実際に食事をしたり、レジ付近で会計金額や注文内容を観察したりしながら確認しているとのことでした。
そのため、必要売上を考える際は、単に「この立地なら売れそう」と考えるのではなく、周辺店舗の席数・回転数・客単価を実際に観察し、「どれくらいの売上なら現実的に達成できるか」を考えることが重要です。
必要売上は来店人数に変換して考える
必要売上は、「月商いくら必要か」だけでなく、「何人来れば達成できるか」に変換することが重要です。
たとえば、
- 必要売上400万円
- 客単価4,000円
なら、月1,000人の来店が必要です。
営業日25日なら、1日40人です。
この時に、
- 席数
- 回転率
- 人通り
- 駐車場
- 競合
を考えて、「本当に1日40人来るか」を考える必要があります。
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OpenKitchenの立地診断でも重要な考え方
OpenKitchenの立地診断でも、
- 家賃
- 席数
- 客単価
- 回転率
- 人通り
- 駅距離
- 競合店数
などをもとに、「この立地で必要な売上はいくらか」を試算することを想定しています。
必要売上が高すぎる物件は、立地が良く見えても利益が残らない可能性があります。
逆に、人通りが少なくても、家賃が安く、駐車場があり、競合が少ないなら成立するケースもあります。
そのため、立地選びでは、「人が多いか」ではなく、「必要な売上を達成できるか」を考えることが重要です。
まとめ
飲食店の立地では、家賃、席数、客単価、回転率によって必要な売上が変わります。
特に駅前物件は必要売上が高くなりやすく、郊外物件は必要売上を下げやすい傾向があります。
物件を見る時は、「人気立地かどうか」だけでなく、「その場所で利益が残るか」を考えるようにしましょう。
よくある質問
Q1. 飲食店は立地によって必要な売上が変わりますか?
はい。家賃や席数、人通りが違うため、必要な売上も大きく変わります。
Q2. 家賃が高い物件はどれくらい売上が必要ですか?
固定費次第ですが、家賃が高い駅前物件は月商400〜500万円以上必要になることもあります。
Q3. 席数が少ないと不利ですか?
客単価や回転率が高ければ、席数が少なくても成立するケースがあります。
Q4. 回転率が低いと成立しませんか?
回転率が低い場合は、客単価を上げるか、固定費を抑える必要があります。




