はじめに
飲食店の物件選びでは、「家賃が安いか高いか」だけで判断してしまう人も少なくありません。
しかし、本当に重要なのは、家賃の絶対額ではなく、「売上に対して家賃が何%か」です。
たとえば、月商300万円の店で家賃30万円なら家賃比率は10%ですが、月商300万円で家賃60万円なら20%になります。
同じ家賃でも、売上に対してどれくらい負担になるかは大きく変わります。
一般的に、飲食店の家賃比率は10%前後が理想、15%を超えるとやや高め、20%を超えるとかなり厳しいと言われます。
この記事では、飲食店の適正な家賃比率の目安と、売上に対して高すぎる物件を見分けるポイントを解説します。
物件候補を見つけた後に、融資相談や契約の順番で迷っている方は、飲食店開業は物件が先?融資が先? も確認しておくと、家賃と資金計画をつなげて判断しやすくなります。
家賃比率とは?
家賃比率とは、「売上に対して家賃が何%を占めるか」を表す指標です。
計算式は以下です。
家賃比率(%) = 月額家賃 ÷ 月商 × 100
たとえば、
- 月商300万円
- 家賃30万円
であれば、家賃比率は10%です。
一方で、
- 月商300万円
- 家賃60万円
なら、家賃比率は20%になります。
同じエリア・同じ席数でも、家賃比率が高すぎると利益が出づらくなります。
そのため、飲食店では「家賃が払えるか」ではなく、「家賃比率が適正か」で判断することが重要です。
飲食店の家賃比率の目安
一般的には、飲食店の家賃比率は以下が目安とされます。
| 家賃比率 | 目安 |
|---|---|
| 10%以下 | 理想的 |
| 10〜15% | 許容範囲 |
| 15〜20% | やや高い |
| 20%以上 | 危険水準 |
家賃比率が10%以下であれば、利益が残りやすく、売上が多少落ちても耐えやすくなります。
一方で、20%を超えると、少し売上が落ちただけで赤字になりやすくなります。
特に、駅前の路面店や人気エリアの物件は、家賃比率が高くなりやすいため注意が必要です。
家賃比率が高すぎると何が起こる?
家賃比率が高すぎると、以下のような問題が起こりやすくなります。
- 利益が残らない
- 人件費を削る必要が出る
- 広告費をかけられない
- 売上が少し落ちるだけで赤字になる
- 回転率を無理に上げる必要が出る
- 客単価を高く設定しないと成立しなくなる
特に飲食店は、家賃だけでなく、人件費、原価、水道光熱費もかかります。
そのため、家賃が高すぎると、他のコストを無理に削る必要が出てしまい、結果としてサービス品質が下がるケースもあります。
駅前立地は家賃比率が高くなりやすい
駅前立地は、人通りが多く集客しやすい反面、家賃が高くなりやすい傾向があります。
特に、駅徒歩3分以内の路面店や繁華街の1階物件は、かなり高額になることがあります。
そのため、駅前だからという理由だけで契約すると、売上は高くても利益が残らないケースがあります。
たとえば、
- 駅徒歩3分・家賃60万円・月商400万円 → 家賃比率15%
- 駅徒歩10分・家賃30万円・月商300万円 → 家賃比率10%
であれば、後者の方が利益は残りやすい可能性があります。
そのため、駅距離だけでなく、「その家賃でどれくらい売上が必要か」を必ず考えることが重要です。
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家賃比率は業態によっても違う
業態によって、許容されやすい家賃比率は異なります。
| 業態 | 許容されやすい家賃比率 |
|---|---|
| 居酒屋 | 10〜15% |
| カフェ | 10〜15% |
| ラーメン店 | 8〜12% |
| 焼肉店 | 10〜15% |
| 高級レストラン | 15%前後 |
| テイクアウト中心 | 15〜20% |
たとえば、ラーメン店は客単価が低めで回転率勝負になりやすいため、家賃比率が高すぎると利益が出づらくなります。
一方で、高級レストランやテイクアウト中心の店舗は、客単価が高かったり、小さい物件でも成立しやすかったりするため、やや高い家賃比率でも成立するケースがあります。
現役オーナーに聞いてわかったこと
出典: ヒアリング協力者プロフィールを見る現役オーナーへのヒアリングでは、都内から地方へ出店エリアを移した背景として、「家賃を含む固定費の重さ」が大きかったという話がありました。
地方では、都心ほどの売上規模を追うのではなく、平日は損益分岐を守り、土日でしっかり売上を取る形にモデルを変えたとのことです。
また、地方立地では駅距離よりも、駐車場の有無や車の動線、視認性を重視しており、固定費を抑えながら成立しやすい立地を選ぶことが重要だと話していました。
そのため、物件選びでは家賃の安さだけでなく、「その固定費で利益が残るか」を先に考えることが大切です。
家賃比率を見る時の注意点
家賃比率を見る時は、月額家賃だけでなく、以下も含めて考える必要があります。
- 共益費
- 看板料
- ゴミ処理費
- 駐車場代
- 保証金・礼金
- 更新料
- 内装工事費
特に、駅前物件や商業施設内の物件は、家賃以外の費用が高くなることがあります。
また、契約時だけでなく、毎月発生する固定費も必ず確認することが重要です。
家賃が高くても成立しやすいケース
家賃が高くても、以下のような条件がある場合は成立しやすくなります。
- 人通りが非常に多い
- 高単価業態
- 回転率が高い
- 予約来店が多い
- 競合が少ない
- ブランド力がある
- 駅前1階で視認性が高い
たとえば、人気ラーメン店や有名焼肉店は、多少家賃が高くても売上で吸収できるケースがあります。
一方で、無名店がいきなり高家賃の駅前物件に出店すると、固定費負担が重くなりやすいため注意が必要です。
OpenKitchenの立地診断でも重要な指標
OpenKitchenの立地診断でも、想定売上に対して家賃が高すぎないかは重要な評価ポイントになります。
たとえば、
- 家賃
- 想定席数
- 客単価
- 回転率
- 人通り
- 駅距離
などをもとに、「この立地で成立するには月商いくら必要か」を試算できるようにする予定です。
家賃比率が高すぎる物件は、立地が良くても利益が残らない可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
まとめ
飲食店の家賃比率は、10%前後が理想、15%を超えると高め、20%を超えるとかなり厳しい水準です。
特に駅前物件は、売上は高くても家賃負担が重くなりやすいため、家賃比率で判断することが重要です。
物件を見る時は、「家賃が払えるか」ではなく、「売上に対して適正か」を考えるようにしましょう。
よくある質問
Q1. 飲食店の家賃比率は何%が理想ですか?
一般的には10%前後が理想とされます。
Q2. 家賃比率20%は危険ですか?
売上が少し落ちただけで赤字になりやすいため、かなり厳しい水準です。
Q3. 駅前物件は家賃が高くても契約すべきですか?
売上だけでなく、家賃比率と利益が残るかを確認した上で判断することが重要です。
Q4. 家賃以外に見るべき固定費はありますか?
共益費、看板料、ゴミ処理費、駐車場代なども確認した方が良いです。




