黒字なのにお金が足りなくなる理由と、初心者が最初に知るべき考え方
飲食店を開業してしばらくすると、こんな疑問を持つ方がとても多くなります。
「売上も出ているし、利益も黒字なのに、なぜかお金が残らない…」
これは決して珍しいことではありません。
実は、多くの飲食店が 「利益」と「お金(現金)」の違いを知らないまま経営 を始めてしまっています。
実際に、黒字でも資金繰りに苦しむ飲食店には共通したパターンがあります。
👉 よくある失敗例や「なぜ詰まるのか?」については、
飲食店のキャッシュフローが悪化する典型パターン
で詳しく解説しています。
この記事では、
・お金が足りなくなる理由
・資金繰りとは何か
・初心者が必ず押さえるべきポイント
を、できるだけ専門用語を使わずに解説します。
1. 資金繰りとは何か?
結論:資金繰り=「支払いのときにお金がある状態」
資金繰りとは、難しく考える必要はありません。
「家賃や給料、仕入れ代を、ちゃんと払える状態を保つこと」
これが資金繰りです。
・利益が出ているか
・売上が伸びているか
とは、実は別の話です。
なお、資金繰りは飲食店経営における 「お金の管理」の一部にすぎません。
資金調達・融資・運転資金まで含めた全体像は、
飲食店の資金調達・融資の完全ガイド
で整理しています。
2. 黒字なのにお金がなくなる理由
理由①:利益=現金ではない
お店の利益は、帳簿の上で計算された数字です。
一方で、実際に使えるお金は「口座に入っている現金」だけです。
たとえば:
・内装費を後払いで払っている
・設備代を分割で支払っている
・融資の返済が始まった
・税金の支払いが後から来る
こうした支払いは、利益とは関係なくお金を減らします。
理由②:開業直後は出費が一気に重なる
開業後しばらくは、次のような支出が同時に発生します。
・家賃
・人件費
・仕入れ
・広告費
・融資の返済
この時期に資金繰りを考えていないと、
「売上はあるのに、常に不安」
という状態になります。
理由③:売上は毎月同じではない
飲食店の売上は、次の影響を強く受けます。
・曜日
・天候
・季節
・イベント
そのため、
「先月うまくいったから今月も大丈夫」
とは限りません。
3. 初心者が必ず見るべき3つの数字
① 今の手元資金(口座残高)
まず見るべきはこれだけです。
・現金
・普通預金
を合計して、
「今いくら使えるお金があるか」 を把握します。
② 毎月必ず出ていくお金
次に、毎月必ず払うお金を洗い出します。
・家賃
・人件費
・水道光熱費
・仕入れ代
・融資の返済
・税金の積立
これを合計すると、
最低限必要なお金 が分かります。
③ 何ヶ月もつか?
次の計算をしてみてください。
手元資金 ÷ 毎月の固定支出 = 残り月数
例:
・手元資金:300万円
・毎月の支出:100万円
→ 3ヶ月分
3ヶ月を切ると要注意 です。
「毎月、これをどうやって管理すればいいのか?」を
具体的に知りたい方は、
飲食店の月次キャッシュフロー管理のやり方【初心者向け】 で、チェック項目と簡単な管理例を確認してください。
4. 開業初心者が今すぐできる資金繰り対策
対策①:お金の用途を分ける
・開業資金
・運転資金
・予備資金
を混ぜて使わないことが大切です。
「どこまで使っていいお金か」を分けるだけで、不安が減ります。
対策②:週1回、口座残高を見る
おすすめの習慣はこれだけです。
・毎週1回
・口座残高を見る
・前週と比べる
これだけで、資金繰り感覚が身につきます。
対策③:返済スケジュールを見える化する
・毎月いくら返すのか
・いつから返済が始まるのか
を紙や表に書き出しましょう。
将来の「苦しい月」を事前に想像できるようになります。
資金繰りを改善するうえで、
「売上を増やす」「利益を出す」よりも、
まず効果が出やすいのが「支払いのタイミングを整えること」 です。
実際に多くの飲食店では、
月末に支払いが集中しているだけで資金繰りが苦しくなっています。
👉 支払いサイクルを整えて、月末不安を減らす具体的な方法は
支払いサイクルを整えるだけで資金繰りが楽になる理由 で詳しく解説しています。
5. 利益改善と資金繰りの関係
利益改善は、資金繰りを良くするための手段です。
・原価を下げる
・人件費を適正にする
・回転率を上げる
これらはすべて、
お金が残りやすい体質を作るため の取り組みです。
利益構造の全体像は、
飲食店の利益構造・経営改善の完全ガイド
で詳しく解説しています。
6. よくある質問(初心者向け)
Q. 資金繰りが不安になったら、最初に何をすべき?
→ 口座残高と毎月の支出を確認してください。
Q. 黒字なのにお金が減るのは失敗ですか?
→ 失敗ではありません。多くの店で起きます。
Q. 難しい資金繰り表は必要ですか?
→ 最初は不要です。
「今いくら」「毎月いくら出るか」だけで十分です。
まとめ|資金繰りは飲食店経営の土台
資金繰りは、
「お金を切り詰める話」ではありません。
・お金の流れを知る
・不安を減らす
・安心して経営判断をする
ための土台です。
まずは、
・口座残高を見る
・毎月の支出を把握する
この2つから始めてみてください。
資金調達や融資の考え方については、
飲食店の資金調達・融資の完全ガイド
もあわせて読むと理解が深まります。
よくある資金繰りの悩み・質問について
資金繰りについて理解しても、
実際の経営では「この場合どうする?」と迷う場面が必ず出てきます。
赤字月が続いたときや、
借入返済が重く感じたときなどの具体的な悩みについては、
👉 飲食店の資金繰りに関するよくある質問まとめ
で、ケース別にシンプルに回答しています。



