OpenKitchen
事業計画書の書き方

飲食店 事業計画書をわかりやすく解説|フォーマット・記入項目・公庫向けの作り方

飲食店 事業計画書をわかりやすく解説|フォーマット・記入項目・公庫向けの作り方

はじめに|飲食店の事業計画書で迷いやすいポイントを先に整理

飲食店の開業準備で「事業計画書 飲食店」「事業計画書フォーマット飲食店」「日本政策金融公庫 創業計画書 飲食店」と検索しても、何から書けばいいのか分かりにくいと感じる方は多いはずです。

特に迷いやすいのは、次の4点です。

  • どのフォーマットを使うべきか
  • 売上予測や必要資金をどう数字にするか
  • 日本政策金融公庫の創業計画書と何が違うのか
  • PDFやExcelテンプレートだけで十分か

本記事では、飲食店の事業計画書で必要な記入項目、売上予測、資金計画、返済計画の考え方を、開業前に確認しやすい順番で整理します。

まず入力しながら全体像を作りたい方は、 無料で飲食店の事業計画書を作成できるOpenKitchenの創業計画書ツール も活用してください。


結論|飲食店の事業計画書は「フォーマット選び」より「数字の根拠」が重要

先に結論を言うと、飲食店の事業計画書で見られるのは、きれいなPDFやExcelテンプレートを使っているかではなく、その数字に根拠があるか です。

特に重要なのは次の5点です。

  1. どんな店を、誰に向けてやるのかが明確であること
  2. 売上予測に根拠があること
  3. 原価・人件費・家賃などの支出計画が現実的であること
  4. 開業資金と運転資金が不足していないこと
  5. 借入後に返済できる見通しがあること

つまり、見られているのは「夢があるか」だけではなく、 数字として無理のない計画になっているか です。

事業計画書 飲食店 pdf やテンプレートを探している方も、まずはこの5点がつながる状態を目指すと、フォーマット選びで迷いにくくなります。


飲食店の事業計画書とは?

飲食店の事業計画書とは、どんな店を、どこで、誰に、何を提供し、いくら売上を立て、いくら利益を残すのか を整理した資料です。

開業準備では、頭の中にある構想を文章と数字に落とし込む必要があります。事業計画書を作ることで、次のような点を確認できます。

  • 開業資金はいくら必要か
  • 毎月いくら売上が必要か
  • どの費用が重くなりそうか
  • 借入はいくらまでなら返済できるか
  • 物件の家賃や席数が計画に合っているか

融資のためだけに作るものではなく、物件選び、メニュー設計、価格設定、採用計画にも関わる資料です。

事業計画書と創業計画書の違い

飲食店開業では、「事業計画書」と「創業計画書」という言葉が混在しがちです。

厳密には、創業計画書は日本政策金融公庫などの創業融資で使われる提出用フォーマットを指すことが多く、事業計画書はより広く、事業全体の方針や数字を整理する資料として使われます。

ただし、飲食店開業の実務では、どちらも次の内容を整理する点では共通しています。

項目内容
店の概要業態、コンセプト、出店エリア、客層
経験・準備状況飲食経験、開業準備、協力者
商品・サービスメニュー、価格帯、強み
売上計画客単価、席数、回転率、営業日数
資金計画設備資金、運転資金、自己資金、借入
収支計画原価、人件費、家賃、固定費、利益
返済計画借入額、返済額、返済可能性

公庫向けの創業計画書を作る場合も、先に自分用の事業計画を整理しておくと、提出用フォーマットに落とし込みやすくなります。

飲食店の事業計画書フォーマットに必要な項目

飲食店の事業計画書フォーマットでは、最低限次の項目を整理します。

1. 店舗コンセプト

まず必要なのは、どんな店を作るのかという全体像です。

  • 業態
  • 店名やブランドの方向性
  • 提供する価値
  • 想定する利用シーン
  • 出店エリア

「地域に愛される店」「居心地のよい店」だけでは抽象的です。誰に、何を、どの価格帯で、どんな理由で選ばれるのかまで具体化します。

2. ターゲット・利用シーン

同じ飲食店でも、オフィス街のランチ需要、住宅街のファミリー需要、夜の会食需要では、必要な席数、営業時間、客単価、メニュー構成が変わります。

事業計画書では、次のように具体化します。

  • 平日昼の会社員向け
  • 休日のファミリー向け
  • 仕事帰りの少人数利用
  • テイクアウト中心
  • 予約中心のコース利用

ターゲットが曖昧だと、売上予測や販促計画も曖昧になります。

3. メニュー・客単価

メニューは単なる商品一覧ではなく、売上と利益を決める重要な要素です。

  • 主力商品
  • 価格帯
  • 原価率
  • セット販売や追加注文の見込み
  • ランチとディナーの単価差

客単価は、希望ではなくメニュー構成から考えます。メニュー設計と価格設定については、
飲食店のメニュー設計と価格設定の基本 も参考になります。

4. 売上予測

飲食店の売上予測は、感覚ではなく分解して考えます。

要素確認すること
席数実際に使える客席数
客単価1人あたり平均利用額
回転率1席が1日に何回使われるか
営業日数月に何日営業するか

基本的には、次の考え方で月商を置きます。

売上 = 客単価 × 席数 × 回転率 × 営業日数

売上予測の根拠が弱いと、事業計画書全体の信頼性が下がります。売上設計を詳しく確認したい方は、
飲食店の売上を上げる方法|売上最大化の完全ガイド も確認してください。

5. 支出計画

売上だけでなく、支出の見積もりも重要です。

主に確認すべき費用は以下です。

  • 食材原価
  • 人件費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 消耗品費
  • 広告宣伝費
  • 通信費・システム利用料
  • 借入返済額

特に家賃、人件費、原価は利益を大きく左右します。黒字ラインの考え方は、
飲食店の損益分岐点の出し方|何人来れば黒字になる? で詳しく解説しています。

6. 開業資金・運転資金

飲食店開業では、物件取得費や内装費だけでなく、開業後の運転資金も必要です。

  • 物件取得費
  • 内装工事費
  • 厨房設備費
  • 備品・什器
  • 広告宣伝費
  • 仕入れ
  • 開業後数か月分の家賃・人件費・固定費

「開業できるか」だけでなく、「開業後に資金が尽きないか」まで見る必要があります。開業資金の全体像は、
飲食店を開業したいけど、実際にいくらお金がかかるんだろう? も参考になります。

7. 借入額・返済計画

融資を受ける場合は、借りる金額だけでなく、毎月いくら返済するのかを計画に入れます。

  • 借入希望額
  • 返済期間
  • 毎月の返済額
  • 売上未達時の耐久性
  • 自己資金とのバランス

返済額を収支計画に入れていないと、利益が出ているように見えても資金繰りが苦しくなることがあります。


飲食店の事業計画書の書き方

ここからは、実際に事業計画書を書く順番を整理します。

Step1. どんな店をやるのかを決める

最初に、業態、コンセプト、ターゲット、提供価値を整理します。

この段階で重要なのは、理想だけでなく「その店が選ばれる理由」まで考えることです。

  • なぜその業態なのか
  • 近隣の競合と何が違うのか
  • どの客層が利用するのか
  • どの時間帯に売上を作るのか

ここが曖昧なままだと、売上予測や資金計画の根拠も弱くなります。

Step2. 売上を席数・客単価・回転率で分解する

売上予測は「月商300万円を目指す」のように置くのではなく、席数、客単価、回転率、営業日数に分解します。

たとえば、20席の店で客単価1,500円、1日2回転、月26日営業なら、単純計算では次のようになります。

項目数字
客単価1,500円
席数20席
回転率2回転
営業日数26日
月商1,560,000円

この数字が現実的かどうかは、業態、立地、営業時間、競合状況によって変わります。大切なのは、数字を大きく見せることではなく、説明できる形にすることです。

Step3. 支出を売上に対して見積もる

次に、原価、人件費、家賃、固定費を見積もります。

たとえば、売上予測が月商150万円なのに、家賃や人件費が重すぎると、返済前から利益が残りません。

事業計画書では、売上と支出を別々に考えるのではなく、セットで確認します。

Step4. 必要資金を設備資金と運転資金に分ける

開業資金は、設備資金と運転資金に分けて考えます。

設備資金は、物件取得費、内装費、厨房設備、備品など、開業前に必要な支出です。運転資金は、開業後に売上が安定するまでの家賃、人件費、仕入れ、固定費です。

運転資金を少なく見積もると、開業後すぐに資金繰りが苦しくなります。

Step5. 返済できるかを確認する

最後に、借入後の返済額を収支計画に入れます。

売上が計画通りの場合だけでなく、売上が想定より低い場合でも資金ショートしないかを確認します。

事業計画書は「借りるための書類」ではなく、借りた後も経営を続けられるかを確認する資料 と考えることが重要です。

PDF・Excelフォーマットを使う前に確認すべきこと

「事業計画書 飲食店 PDF」「飲食店 事業計画書 エクセル」と検索する人の多くは、すぐに使えるテンプレートを探しています。

テンプレートやフォーマットは便利ですが、空欄を埋めるだけでは説得力のある事業計画書にはなりません。

空欄を埋める前に数字の根拠を作る

PDFやExcelのフォーマットを使う前に、まずは次の数字を整理します。

  • 客単価はいくらか
  • 何席で営業するのか
  • 1日に何回転できるのか
  • 月に何日営業するのか
  • 原価率・人件費率・家賃比率はどの程度か
  • 開業後の運転資金は足りるか

数字の根拠がないままフォーマットを埋めると、見た目は整っていても中身が弱くなります。

先に項目を埋めながら全体像を作りたい場合は、OpenKitchenの無料創業計画書ツール で整理してから、PDFやExcelへ落とし込む方が進めやすいです。

PDFは提出・共有向け、Excelは試算・管理向け

PDFとExcelでは、向いている使い方が違います。

形式向いている用途
PDF提出、印刷、共有、最終確認
Excel売上予測、費用試算、数字の修正、複数パターン比較

最初からPDFで完成形を作るよりも、まずは数字を動かしながら試算し、最後に提出や共有しやすい形に整える方が実務的です。

フォーマットよりも「整合性」を優先する

飲食店の事業計画書では、各項目がつながっているかが重要です。

  • ターゲットとメニュー価格が合っているか
  • 席数と売上予測が合っているか
  • 家賃と必要売上が合っているか
  • 借入額と返済可能性が合っているか

フォーマットを使う場合でも、項目同士の整合性を確認しながら作成しましょう。

日本政策金融公庫の融資で見られやすいポイント

日本政策金融公庫などで創業融資を検討する場合、事業計画書や創業計画書では次の点が見られやすくなります。

1. 自己資金と準備状況

自己資金は、金額だけでなく、開業に向けて準備してきた姿勢としても見られます。

自己資金がまったくない場合は、資金計画の信頼性が弱く見られやすくなります。

2. 飲食業の経験

飲食業の経験があると、計画の実現可能性を説明しやすくなります。

未経験の場合でも、次のような点を整理しておくと、計画の見え方は変わります。

  • なぜその業態を選ぶのか
  • 経験不足をどう補うのか
  • 誰に相談しながら進めるのか
  • どの業務を外部に任せるのか

3. 売上予測の根拠

売上予測は、希望ではなく根拠が必要です。

  • 近隣競合の価格帯
  • 想定客層
  • 席数
  • 営業時間
  • 回転率
  • テイクアウトや予約の有無

売上を高く見せるよりも、現実的に達成できそうな数字にすることが大切です。

4. 支出と返済の現実性

売上予測だけでなく、原価、人件費、家賃、返済額が現実的かも見られます。

特に、家賃が重すぎる物件や、返済後に手元資金が残らない計画は注意が必要です。

飲食店の事業計画書でよくある失敗

1. 売上予測が強気すぎる

開業初月から満席、高回転、高客単価を前提にすると、計画全体が楽観的に見えます。

通常ケースだけでなく、売上が計画を下回った場合も確認しましょう。

2. 運転資金を入れていない

初期費用だけを見て、開業後の家賃、人件費、仕入れ、広告費が抜けているケースがあります。

飲食店は開業してすぐ売上が安定するとは限りません。開業後数か月分の運転資金も見ておく必要があります。

3. コンセプトが抽象的すぎる

「地域に愛される店」「おしゃれなカフェ」だけでは、誰に何を売るのかが伝わりにくくなります。

ターゲット、利用シーン、メニュー、価格帯まで具体化しましょう。

4. 返済の視点が弱い

融資を受ける場合は、借りることよりも返すことが重要です。

返済額を毎月の収支に入れて、売上未達でも耐えられるかを確認しましょう。


Interview

現役オーナーに聞いてわかったこと

出典: ヒアリング協力者プロフィールを見る

売上予測は「席数・席効率・回転数・客単価」で作る

銀座・池袋・埼玉での出店経験があり、現在は埼玉県で小箱のジンギスカン店を2店舗運営している現役オーナーへのヒアリングでは、売上予測は感覚ではなく、「席数」「席効率」「回転数」「客単価」に分解して考えることが重要とのことでした。

特に回転数や客単価は、近隣の競合店を実際に見に行き、「どのくらい客が入っているか」「何人組が多いか」「どのくらい回転していそうか」「どんな価格帯で利用されているか」を観察して判断しているそうです。

楽観ではなく「悲観・通常・楽観」の3パターンで考える

事業計画書で最も不安になるのは、「本当にこの売上でいけるのか」という点です。そのため実際には、「楽観シナリオ」「通常シナリオ」「悲観シナリオ」の3パターンを作り、特に悲観シナリオでも資金ショートしないかを確認していたとのことでした。

公庫や金融機関に伝わるのは「数字の派手さ」ではなく「根拠」

日本政策金融公庫などでは、売上を大きく見せることよりも、その数字に根拠があるかの方が重要とのことでした。

具体的には、競合調査をしているか、そのエリアの客層を見ているか、席数や回転数の設定に無理がないか、原価や人件費の見積もりが不自然でないか、といった点が見られている感覚だったそうです。


よくある質問(FAQ)

Q1. 飲食店の事業計画書には何を書けばいいですか?

最低限、コンセプト、想定顧客、売上予測、支出計画、必要資金、返済計画 は整理しておきたい項目です。
書く順番に迷う場合は、本文内の「初心者向け|飲食店の事業計画書を作る順番」から逆算すると進めやすいです。

Q2. 日本政策金融公庫の創業計画書にも使えますか?

はい。提出先ごとにフォーマットの違いはありますが、実務上はどちらも
「事業の内容・売上・費用・資金計画を整理する書類」 と考えて問題ありません。
公庫向けに準備する場合も、まずは飲食店の事業計画書として数字の整合性を固めることが重要です。

Q3. 事業計画書 飲食店 pdf やExcelテンプレートだけで十分ですか?

テンプレートだけでは不十分です。
PDFやExcelは清書には便利ですが、客単価・席数・回転率・必要資金・返済額の根拠 まで自動では埋まりません。
先に中身を整理してからフォーマットへ落とし込む方が失敗しにくいです。

Q4. 売上予測はどれくらい現実的に作るべきですか?

少し保守的なくらいがちょうどよい です。
融資では、派手な売上計画よりも、達成可能性の高い計画のほうが信頼されやすくなります。
特に開業初月から満席前提にしないことが重要です。

Q5. 無料で飲食店の事業計画書を作る方法はありますか?

あります。まず全体像を作りたい方は、
OpenKitchenの無料創業計画書ツール を使うと、店舗情報、売上見込み、必要資金、収支計画の順に整理できます。

関連記事

まとめ|飲食店の事業計画書は「書き方」より「順番」が大事

飲食店の事業計画書で大切なのは、見栄えの良いPDFを作ることではありません。

  • どんな店をやるのか
  • 誰に売るのか
  • いくら売るのか
  • いくらかかるのか
  • 借入後に返済できるのか

を、数字と一緒に整理することが重要です。

テンプレートやフォーマットは、その整理ができたあとに使うと効果を発揮します。
まずは全体像を形にしたい方は、OpenKitchenの無料創業計画書ツール から着手してみてください。

Supervision

この記事の監修・ヒアリング協力者

福島真貴のプロフィール画像

Expert Voice

福島真貴

飲食店オーナー / FMP合同会社 代表

銀座・池袋・埼玉での出店経験を持ち、現在は埼玉県で小箱のジンギスカン店「生ラムジンギスカン チョップ」を2店舗(鴻巣店・北本店)運営する現役オーナー。食べログランキングでジンギスカンのカテゴリーにおいて埼玉県1位を獲得した実績を持つ。都心・地方双方の出店、撤退、M&Aまで経験。

出店経験エリア

銀座 / 池袋 / 北本 / 鴻巣

業態

焼肉・ジンギスカン

関連記事

一覧を見る
飲食店開業に必要な資格・許可とは?保健所・消防署・酒類販売まで徹底解説
開業準備ガイド
飲食店開業に必要な資格・許可とは?保健所・消防署・酒類販売まで徹底解説

飲食店を開業するには「食品衛生責任者」と「保健所の営業許可」が必須。そのほか深夜営業や酒類販売、防火管理者の資格が必要になる場合もあります。この記事では、飲食店開業に必要な資格・許可をわかりやすく整理し、取得の流れや注意点を解説します。